- 岡田
- 打てば響くような人たちが集まっている組織というお話でしたが、部下のマネジメントではどのようなことを心掛けていますか。
- 石橋
- 私は年に1回、上司とのパフォーマンスレビューがあるのですが、そこで前回言われたのが「石橋さんは全部自分でやりすぎるからもっとデリゲーション(権限委譲)した方がいい」。そこでこの1年間はデリゲーションをしっかりしていくことを心掛けました。岡田さんのおかげもありますが(笑)、アマゾンに入社してくる人はとても優秀な人が多いので、デリゲーションしつつ仕事に責任やオーナーシップを持ってもらうよう意識しています。
- 岡田
- デリゲーションを心掛けるようになって、どんな変化がありましたか。
- 石橋
- 直属の部下の人たちがどんどんリーダーシップを取って、以前、私がやっていた仕事をやってくれるようになってきました。そうなれば、私は空いた時間で一段上のことに取り組んでいくことができます。すでにお話したようにアマゾンでは新しい状況や課題がどんどん生まれてくるので、そうしたことへの対応を考え、手を打っていく仕事に力を入れています。それにプラスして各カテゴリーの下にあるサブカテゴリーの売上を見て、毎日担当者に「どうなっているのか」と質問を出し、返事を確認することで目標達成へのチームの意識付けや、生じている課題への素早い対策を行えるようにしています。アマゾンでは「Dive Deep」と言ってリーダーにはすべてのレベルの業務に関与することが重視されており、それを実践しているんです。
- 岡田
- アマゾンに向いているのはどんな人ですか。また、石橋さんは今後のキャリアプランをどう描いていますか。
- 石橋
- 向いている条件は2つあり、1つはプロアクティブな人であることです。自分から何かを仕掛けるんだというプロアクティブさのない人はこの会社にいても価値がないし、本人もつまらないと思います。もう一つはスピード感です。物事が非常に早く動く組織なので、それについていけるかが重要です。キャリアプランに関しては、常に大きな仕事をしていきたいと思っています。ホーム&キッチン事業部は非常に規模が大きいので現状はそれを見るだけで手一杯ではあるのですが、将来的には他の事業部も含めリテールの仕事をやっていきたいとの思いがあります。一方でアマゾンにはキンドルをはじめとするさまざまな新しい事業機会があるので、そこへのチャレンジも視野に入れています。
※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。